今回は、プログラミングスクールの卒業生は、卒業後に実際に就職先で使えるのか、使えないのか?というお話をしていきます。
現場のプログラマーの方々からは、プログラミングスクールの卒業生は、
- 使えない。
- いらない。
- 採用する意味がない。
という話や、
また、SNS等でも「プログラミングスクール卒業生は、就活時の書類選考で落とされた。」などという話も時々聞こえてきます。
しかし、それは本当に事実なのでしょうか?
もし、それが事実であるとしたら、どうしたらよいのでしょうか?
今回は、「使えない。」と言われないようにするための戦略についても解説します。
プログラミングスクールの卒業生は、実際のところ使えません!
いきなりこのような表現は少し過激ですが、プログラミングスクールの卒業生が、就職した先で仕事をしても「使えない!」という声があるのは、事実のようです。
ただ、誤解がないようにお伝えすると、プログラミングスクール卒業生の全員が使えないということではありません。
当たり前かもしれませんが、「使える!」人と「使えない!」人に分かれていきます。
では、何故そうなるのでしょうか?
コンサルティング業界の新入社員を例に挙げてみますが、コンサルティング業界は、最初から「使えない!」ことが前提の業界です。
コンサルティング業界は、学歴の高い方々の就職先として人気がありますが、新卒を雇って、就職の1ヶ月前に、学生に研修をさせて、4月になった途端、先輩社員と一緒に、コンサルティングを顧客に行うのです。
今までバイト程度にしか働いたことがない新入社員のコンサルティングは、知識だけの理論ですから、当然、実際のコンサルティングでは、使い物にはならないわけです。
しかし、先輩社員と一緒に顧客のコンサルティングをしますので、その先輩社員が顧客に対しメインでコンサルティングを行いますから、先輩社員の横で助言をすることなく、メモしか取っていないとしても、
2名分のコンサルタント料を顧客から請求しているので、結果として1人前の仕事をしているということになります。
新入社員は「経験」という資産をまだ持っていないので、基本的に「使えない!」のは当たり前のことです。
しかし、IT業界の場合は「即戦力」の方が職場としてありがたいわけですから、プログラミングスクールの卒業生が職場にとって都合が良いか悪いかで「使える!」とか「使えない!」という選別をしているに過ぎないのです。
では、どのように選別をしているのかをこの後、解説していきます。
プログラミングスクールの卒業生が使えないと言われる3つの理由
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プログラミングスクールの卒業生が使えないと言われる?
それでは、プログラミングスクールの卒業生が、就職した先で仕事をしても「使えない!」と言われてしまう理由を3つ紹介します。
- スクールで学んだことと実務は別物
- スクールを卒業したわりにプログラミングスキルが低い
- 経験値が低い
それでは、1つ1つ解説していきます。
スクールで学んだことと実務は別物
最初に、ハッキリさせておきたいのは、プログラミングスクールの卒業生であっても、独学であっても、IT業界以外であっても、新入社員は基本的に使えません!
理由は簡単で、新人だから! 当たり前のことです。
初めてのことは出来なくて当然ですから、この部分に関しては、あまり気にすることはありません。
また、プログラミングスクールで学んだことと実際の職場で行うことは、全くの別物と考えていいでしょう。
しかし、職場の先輩たちが、「使える!、使えない!」と言っているのは、実務経験の事を言っているのではありません。
新たな仕事に対して、自ら挑戦をしている新人は「使える!」ように見えて
先輩から仕事の指示を待っている新人は「使えない!」ように見えるということです。
スクールを卒業したわりにプログラミングスキルが低い
スクールを卒業しても実務レベルのプログラミングスキルが付いていないことも「使えない!」と言われる理由です。
これは、プログラミングスクールを卒業したということが、職場として最初から少し期待値を上げてしまっているところもあるでしょう。
プログラミングスクールのカリキュラムをとりあえずこなしてきただけで就職をし、エンジニアになったつもりになっている人もいますし、ひどい場合は基礎的な知識がなかったり、エラーを解決出来ないで諦めてしまうような方もいます。
こうなってくると、プログラミングスクールを卒業したとは言えないことになってしまいます。
経験値が低い
経験値は、プログラミングスクールの卒業生でも、独学であっても同じですが、プログラミングに対する経験値が低いということが「使えない!」と言われる最大の原因でしょう。
どんな仕事であっても、「知識+経験=スキル」ということが言えます。
プログラミングスクールを卒業後、就職した新入社員は、知識はあっても、当然、実務経験がないわけです。
知識と経験があってこそ、スキルとなりますから、知識だけでは、職場では役に立たないのです。
逆に、ベテラン社員は、知識も経験もあるので、一見、手抜きをしているように見えても、仕事のコツを知っているので、余裕で作業をこなせてしまうのです。
例えば、筋トレで、栄養学や解剖学の理論を学んだだけの場合、それを実践しない限り、マッチョにはならないのです。
しかも、マッチョの方に対して、筋トレ理論や指導をしたとしても、アウトプットをしている「行動」がないため、当然、「誰にモノを言ってるの。」と相手にされないわけです。
「経験」とは、仕事だけでの話しではなく、人生の財産でもある重要な要素なのです。
ですから、「使えない!」のではなく、本来の正しい言葉を使うのであれば、「経験がないから戦力にならない。」と言うべきですね。
プログラミングスクール卒業までに現場レベルに到達する方法
それでは、どのように経験を積み、就職が決まるまでに、「現場レベル」に持っていけば良いのでしょうか?
結論からお伝えすると、下記の4つのことを意識しましょう。
- 基礎学習を終わらせておくこと。
- 自分でアプリやサイトを作ってみる。
- 簡単なプログラミングの仕事を請け負ってみる。
- プログラミングに関する資格を取る
ここからそれぞれの項目について詳しく解説していきます。
1. 基礎学習を終わらせておくこと。
まずは基礎学習を終わらせることが最初のステップとなります。
基礎学習を終わらせておかないと、アプリ開発などの応用的な開発を行うことができないからです。
基礎学習は正直退屈なため挫折してしまう人も多いですが、基礎がしっかりできているかどうかで現場で応用できるかどうかが変わります。
独学であれば4〜6ヶ月ほどで基礎学習を終了させることができるので、まずは基礎を固めることから始めてみましょう。
2. 自分でアプリやサイトを作ってみる。
実際に動作するアプリやサイトを自分で作ってみます。
ここがアウトプット「経験」をする最初の部分ですから、簡単なものからでよいので、とにかく進めていきましょう。
Pythonを学んでこられた方は、下記の7つの中から選んでみるとよいでしょう。
Pythonでできること7つ
- データ集計・加工・描画
- 機械学習を使った回帰・分類
- データベース操作
- 自動化
- API連携
- Webアプリケーション開発
- WEBスクレイピング
3. 簡単なプログラミングの仕事を請け負ってみる。
簡単なものでよいのでプログラミングの仕事を実際に請負ってみましょう。
ランサーズや、クラウドワークスに登録をしておくことで、仕事をバイト感覚で請負うことができます。
また、簡単な仕事をすることが前提ですから、当然、報酬は安い案件となります。
しかし、現場に出るための経験を積むための勉強ですから、報酬がもらえるだけでもヨシとしましょう。
この段階からは、依頼主がいることですから、作業は簡単ではありません。
大切なことは、仕事を請け負った段階で初心者ではなく、プロになるということです。
出来る限り、依頼主の要望に沿った仕事をしていくようにしましょう。
結果として、仕事を完成させられず、報酬も得られない状況になるかもしれませんが、それこそが貴重な「経験」なのです。
4. プログラミングに関する資格を取る
プログラミングの資格を取得し、就活を有利にしたり、キャリアに役立てていきましょう。
全てのプログラマーに共通したオススメの資格
・基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、IT人材となるために必要な基礎知識や技能を持ち、実践的な活用能力を持っている人向けの試験です。
ITに必要な知識の基礎が網羅的に出題され、多くの職種の現場で習得を促されるため、プログラマーとしてのキャリアをスタートする全ての方にオススメな資格です。
また、プログラミングには多くのプログラミング言語があり、分野や職種によって必要な知識や技術が異なります。
そのためには、自分の就きたい職種に必要な技術や、プログラミング言語を知っておく必要があります。
Pythonに特化したオススメの資格
日本国内で実施されているPythonエンジニア向け資格試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が運営している2つの資格がオススメです。
- Python3エンジニア認定基礎試験
- Python3エンジニア認定データ分析試験
プログラミングスクールに関するQ&A
- プログラミングスクールは無駄なのでしょうか?
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プログラミングスクールは決して無駄ではありません。
受講費用はかかりますが、独学よりも効率的に学べる点や、分からないことを気軽に講師に質問できること、
そして一緒に勉強していける仲間がいる環境は、非常に大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、プログラミングを仕事にしようと考えているのであれば、卒業をゴールにしてしまわないように注意してください。 - プログラミングスクールで挫折しない方法はありますか?
-
プログラミングの学習は、受験勉強のような記憶力を使うものではなく、全てのコードを覚える必要はありません。
分からないことを調べていき、完成形をイメージし、そこに向かって命令通り動くコードを組み立てていくための学習となりますから、
難しく考え過ぎずにイメージ力をつけていけば、挫折する可能性は低いでしょう。
ただし、プログラミングで最大の挫折の原因となってしまうのが、エラーが解決できないという点につきます。
この点だけは、途中で投げ出してしまわないように、最後まで調べて、エラーを解決させることが大切です。
プログラミングスクールであれば、仲間や講師に教えてもらうことが出来ますから、独学よりも、さらに挫折しにくいと言えるでしょう。
- プログラミングスクールを選ぶ際で、注意するべき点はありますか?
-
プログラミングスクールを選ぶ際に、まずは、学習目的をハッキリさせておくことが大切です。
「何をしたいのか?、そのために、何の言語を学ぶのか?」という目的から決めていきます。
この目的が決まれば、スクール選びが楽になります。
自分の希望を下記の条件から選択して、スクールを探してみましょう。- 目的の言語を学べるか?
- 通学するか、オンラインか?
- グループレッスンか個人レッスンか?
- 十分なサポートが受けられるか?
- 受講期間や、受講料は適切か?
- 就職や転職の支援や実績があるか?
ここまで、自分の希望をまとめて、スクールをいくつか比較検討し、選択したあとは、口コミや体験談などをスクールのサイト以外でチェックしてみましょう。
- 受講料などでトラブルが起こっていないか?
- 実際に希望するサポートが受けられているか?
- 挫折しそうな時のメンタルサポートを行っているか?
- 就職や転職支援を熱心に行ってくれているか?
これらをクリアしていれば、後悔しないスクール選びができるでしょう。
また、体験レッスンがあれば参加してみるのもオススメです。
まとめ:プログラミングスクール卒業生は「使えない!」と言われないようにしよう
プログラミングスクールの卒業生が就職先で「使えない!」と言われてしまう、本当の意味をご理解いただけましたでしょうか?
元々、プログラミングに興味があったり、好きで始められたことだと思います。
プログラミングスクールの卒業は、ゴールではなく、スタートラインに立ったという状態でしかありません。
就職して「使える!」人と「使えない!」人に分かれていくのは事実であって、仕方がないことだと思いますが、やはり違いが出てくるのは、スクールで学んだことだけに頼ってしまうと、「使えない!」側の人になってしまうということです。
プログラミングスクールの卒業生であるとか、独学で就職をしたということは全く関係がなく、本人の心構えの問題です。
しかし、これは真面目に働くという意味ではありません。
「楽しく続けていけることであれば、最終的に人から認められる。」ということです。
これは、仕事だけのことではなく、楽しいことは続けられることにつながり、そして、続けられることは、平均レベルよりも上に行くことにつながりますから、
結果として、人から認められるということになるのです。
これから、あなたも、希望通りの就職に向かって頑張っていきましょう!